0704fuji1寝過ごしては一大事と思い、腕時計と携帯電話。
それに加えて、我が家から目覚まし時計まで持ってきて、万全を期したのですが、眠りが浅く午前2時過ぎには起きていました。
昨晩、コンビニで買った寿司とパンを食べて、着替えを済ませてホテルを出ます。

富士北麓公園までは、車でホテルから5分余り。
この時期になっても、富士の山麓は寒く、明け方の気温は4℃。
ランニングタイツと、長袖Tシャツに、薄手のランジャケットを身につけました。

ホテルを出るときは、空に星が輝いていましたが、4時半になるとかなり白けて来ます。
目の前には残雪が映える堂々とした富士。
その威容と美しさに感嘆の声が上がります。

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112kmスタート

最長112kmの部がスタートをして30分後、いよいよ100kmのスタートです。
100kmという長丁場、どんなドラマが待っているか分かりません。
制限時間は14時間、時間内で完走できればそれで満足です。

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快晴の空に富士がくっきり、100kmスタート前

5時にスタートをして、しばらくは上りです。
それを過ぎると下り坂へと転じ、最初の湖、山中湖へと向かいます。
気温は低いのですが、タイツと長袖、手袋をしているので万全です。

新緑が芽を出している林の中を駆けていきます。
その林が切れて、民家が見えるようになってくると、右手に真っ白な富士が見えてきます。
快晴の空に、絵に描いたような富士が、ランナーを温かく見守っています。

緑の木立を抜けて、前方の視界が開けてくると、山中湖です。
早朝の湖畔は、人影はまばら、静かで穏やかな光景が広がっています。
外周にはきれいな遊歩道が整備されています。

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山中湖畔沿いを走ります

その遊歩道を1周もしないうちに20kmポイントを通過します。
暖かい日差しが遊歩道に降り注いでいます。
1周してくると、観光客も沿道に出ていて、 温かいエールを送ってくれます。

林の中の道を過ぎ、国道138号線へと入ってきます。
富士浅間神社前を通り、宿泊をしているリゾートイン芙蓉の前も通り過ぎました。
やがて富士急ハイランドのジェットコースターが見えてきます。

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富士急ハイランドと河口湖畔から見る富士

車道を走る車からは時々「ガンバって~」の声が飛んできます。
ハイランド前を過ぎて国道を右折すると、河口湖へと向かう下りです。
自然とペースが上がります。

0704fujia河口湖にかかる大きな橋に来ました。
前方からカメラマンがレンズを構えています。
後方には残雪の富士が控えています。

1km近くある長い橋を渡りきると42kmです。
オフィシャルスポンサー、ニューバランスのエイドステーションがあり、タレントで双子の姉妹「アン・ドウ」の姉さんが甲高い声で声援を送っています。
妹の里美さんは100kmの部に出ています。

給水と干しぶどう、甘納豆などのエネルゲンを補強して先へと急ぎます。
オルゴール館などのきれいな建物が並んでいます。
左手には富士。

エイドを過ぎた辺りから足が重くなってきました。
富士の美しさと静かに佇む湖を見ていると、そんなに急がず、楽しんで…という気持ちになってきます。
歩いていて楽しい湖岸道路です。

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堂々と美しい富士です

40kmまでは、10km1時間を切るペースですすんできましたが、完全に失速状態です。
歩いては走り、立ち止まってはデジカメでパチリ、その連続です。

河口湖から西湖に行くには、かなりの急坂を上らなければなりません。
河口湖は5つの湖では最も標高が低いため、西湖までの道は、自ずと登りとなります。
坂の途中に、西浜小中学校があり、50.1km地点です。
スタート前に預けた着替え用の袋を受け取りましたが、そのまま袋を預けて先へ急ぎました。
歩いて坂を上ります。

上りから下りに転じると西湖です。
湖岸では釣り人がのんびりと釣り糸を垂れています。
のんびりと平和な光景です。

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西湖から見る富士

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56.4km地点にうどんのエイドがあります。
ここまですすんでくるとお腹も空いてきます。
ほとんどのランナーがうどんを食べて小休憩です。

樹海の中の道をすすんでいきます。
視界の広がる湖岸の道路はもちろんですが、緑の中の道もいいものです。
西湖野鳥の森公園にやってきました。

芝生広場が広がり遊具もあります。
古びた民家もあり、絵になる光景が広がっています。
桜がまだ残っています。
桜を前景に富士のショットを撮りました。

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日本の象徴、桜と富士
 
樹海の道を通り抜けて精進湖へと向かいます。
緑が生い茂っているところは青木ヶ原です。
この中に入りこんで道を誤ると、 帰って来られないと聞いたことがあります。
木立の中は木々が生い茂り、道らしき道はありません。
夜だと恐怖です。

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精進湖から見る富士

精進湖までは下り基調の走りやすい道です。
精進湖にやってきました。
五湖の中では最も小さな湖ですが、疲れが出てきた足には短い感じはありません。
宇の岬トンネルをくぐり抜けます。
中はひんやりとしています。

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精進湖畔を通り、トンネルへ

再び広い道路へと入ってくると、折り返して復路に入ったランナーが目立ってきます。
112kmの白ゼッケンを着けたランナーもいます。
速いとしか言いようがありません。
驚くほどにきれいで力強いフォームです。

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折り返して帰ってくるランナーが多くなってきます

本栖湖の標識が見えてきました。
標識のある信号は横断歩道がなく、一旦左にそれ、地下道を潜って本栖湖のエイドに向かいます。
本栖県営駐車場が68.3km地点のエイドです。

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本栖湖エイド

112kmのランナーはここからさらに本栖湖を1周しますが、100kmと72kmはここで折り返しです。
スタート時に預けた荷物を受け取れます。

折り返しても残りはまだ30km以上もあります。
上りは歩き、下りを走って距離を稼ごうとしますが、大腿四頭筋にかなり痛みがきています。
特に右足の太腿が思うように動きません。

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本栖湖で折り返し復路へ

身体中には乳酸が回り、気持ちはあっても、身体が動かない状態です。
ただひたすら歩きます。
復路に入って、かなりすすんできても、折り返しをめざすランナーが続いています。
関門は大丈夫なのだろうか、我が事よりも他のランナーが気になります。
  
西湖も河口湖も、復路は往路の対岸の道路を進んでいきます。
コースは緩やかな下りになっていますが、身体も足も限界に近く、少し走っては歩く、その連続です。
しかも、歩く時間が格段に長くなっています。
沿道や車からガンバってという声がかかっても、会釈で返すのがやっとです。
後半は10km、1時間半も費やしています。

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疲れた身体に富士が元気づけてくれます。残り10km地点

河口湖も残り少なくなってくると、ゴールまでは10kmを残すのみ。
普段はどうってことのない距離ですが、10kmどころか1kmがやたらと長く感じます。
距離表示は2.5km毎にありますが、この距離が倍の5kmくらいに感じられます。

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この幹線を富士に向かって上っていきます

広い幹線に入ってくると、緩やかな上り道が続きます。
往きは威勢良く下った道も、復路はただただ歩くだけです。
北麓公園に向かう林間道路に入ってくると、道も勾配を増してきます。
ほとんどのランナーが歩いています。
まれに、ゆっくりとした足取りでも上っていく強者ランナーがいますが、どんな心臓の持ち主なのでしょう。

残り1kmになって、フィニッシュへと続く下りです。
下りを利用して なんとかかけ出しますが、大腿部の痛みが強く長くは走れません。
ゴールアナウンスが聞こえてきます。
陸上競技場を2周すれば、100kmのゴールです。トラックで歩いていると、「あと少し、ガンバって」と中年の女性ランナーさんから檄が飛んできました。

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待ち構えるカメラマン

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感動のゴール

正面にゴールゲート、シャッターを切るカメラマン、声援のなかゲートを駆け抜けました。
ボランティアさんから完走メダルを首にかけてもらい、スポーツタオルで身を包みました。
100kmの長い一日の終わりです。
2007.04.29 / Top↑