ホテルを2時半に起床。
食事を早々と済ませ、3時ホテル発のバスに乗ります。
睡眠不足で、頭は半ばぼんやりとしていますが、これから100kmを走るためか、気持ちが高ぶって眠気もどこかへ行ってしまうよう。

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受付会場、湧別町総合体育館、ホタテ貝の炭火焼きは無料サービス(前日撮影)

ホテルからスタート地点までは、バスで所要時間は約50分。
4時20分に会場に着くと、すでに会場はランナーで溢れています。
22回を数えるこの大会、10回以上完走を果たしたランナーに与えられるブルーのゼッケンを胸に着けた姿も目に付きます。
初参加の自分は、一般100kmの部、ゼッケンは白。

上空は曇り、かなり気温が低く、膚寒さを感じるほどです。
走るランナーにとっては丁度良いコンディションですが、応援する人は長袖が欠かせません。

開会式では、吉本興業の人気お笑いタレント太平サブローさん。
「昨年50kmで終わってしまったので、今年こそ完走を果たしたい、100%のランナーが完走」と舞台上でエールを送っています。
これから長い長いドラマのはじまりです。

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スタートは総合体育館前

ゲート正面に取り付けられたデジタル時計が、刻一刻とカウントを刻んでいます。
残り30秒を切り、10、9,8…、カウントダウンが始まりました。
いよいよスタートです。
無事ゴールできるか、走ってみなくては分かりません。
制限時間は13時間。
時間内にはなんとか走りきって、ゴールを駈け抜けたいものです。

サロマコース
コース図

序盤は湧別の町を走る平坦な道です。
町を1周してサロマ湖へと向かいます。
朝早くから沿道に出て、応援してくれる町の人たちを見ると嬉しくなります。
10km地点を59分台で通過しました。遅いペースではありません。
むしろ速いくらいですが、次々とランナーが抜いていきます。
サロマへ出てくるランナーは違います。

10kmを過ぎると、最初の折返し地点である竜宮台へ向かう道へと入っていきます。
サロマ湖はオホーツク海に面し、東西から延びた砂州が広がり、砂州が切れると、オホーツク海です。
竜宮台は、東の岬のようなところにあり、折返し点が設けられています。
先頭集団とは、とっくにすれ違ったものの、折返し点はまだ随分と先。

前方から大音量の北海道民謡が聞こえてくると折返し点です。
地元の厚いエールなのですが、音割れのスピーカーは耳をつんざくよう。

折り返して戻ってくると、20km地点のチェックポイント、2時間1分で通過。
道はほとんどフラット、応援バスの人たちが手を振って声援しているのを見て、30km地点へと向かいます。
距離表示は50kmまでは5km毎です。

30kmを3時間4分で通過しました。
すこしずつ足が重くなってきています。
しかも持病の腰痛が顔をのぞかせています。
30kmから40kmに向かう道は少し上りですが、給水で歩く以外は走り続けています。
フルマラソンでは、最もきついところですが、まだ余裕があります。

40kmは4時間9分台、チェックポイントを過ぎて左に折れ、旧国道へと入っていきます。
コースは、湖岸沿いの道路と変わり、大きなサロマ湖が目の前に広がっています。
あいにく曇り空のため、サロマンブルーの湖面は望むことはできませんが、静かで美しい景色です。

応援バスの人たちが見えてきました。
42.195km地点は、応援場所になっています。
フルマラソンの地点を過ぎたところで、kekoさんを発見、手を振って応えます。
フルマラソン地点のチェックポイントは、4時間21分で通過です。

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月見ヶ浜付近(42.195km通過)

50kmを5時間19分台で通過。ここまで順調です。
55kmチェックポイント手前は、グランティアサロマ湖のホテルがあり、レストステーションが設置されています。
ここまで給水で歩いた以外は、なんとか走り続けてきました。

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レストステーション

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茶色の建物は、グランティアサロマ湖ホテル

スタート時に預けた荷物を受け取ることができ、ウエアやシューズを取り替えるランナーもいます。
一応シューズを用意していましたが、そのまま、おにぎりと飲み物、ゼリーをお腹に入れて先へ急ぎました。
エイドを出ると、直ぐに55kmのチェックポイント。

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レストステーションを後にして、55kmのチェックポイントへ

前方には緩やかな上りが続いています。
腰と左足首が痛くなってきて、歩いてしまいました。
想定以上のペースなので、無理はしません。

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55kmのチェックポイント

60kmを6時間33分。ペースは徐々に落ちて来ていますが、悪いペースではありません。
歩きが多くなっている分、時間がかかっています。

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60km地点のエイド、曇っているためサロマンブルーのサロマ湖は望めません

65km地点は緑の林の中にあります。
涼しく感じますが、このあたりは魔女の森と呼ばれているのだそうです。
そう聞くと、なにやら魔女が囁いてくるかのようです。

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魔女の森を過ぎると、緑の草原、広大な北の果ての景色が広がります

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70km地点に向かうランナー

大会で用意されているエイドは、ほぼ5km毎に設置。私設のエイドもあります。
黄色の建物は、白帆食堂、食べ物、飲み物が沢山用意されて、心温まるエイドです。

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右は海宝道義さん

4.700kmのトランス・アメリカ・フットレースや260kmのさくら道ネイチャーランなど数々のウルトラマラソンを制覇したウルトラの神様、海宝道義さんもエイドでランナーを激励しています。

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ただひたすら走り、歩き。随所にマラソン開催の看板、50kmを過ぎると、距離表示は1km毎

70km地点に向かう途中で、2階の屋根の上から大漁旗を振っているシーンに出会いました。ビックリです。
あとで分かったことですが、ここは旅人宿さろまにあん、サロマのランナーに熱烈な声援です。
70kmは7時間41分台で通過。スタート前に目標にしていた8時間以内をクリアし、このまま行けばハプニングがない限り、ゴールできそうです。
懸念材料は、腰と左足の痛みだけです。

75km地点は鶴雅リゾート、応援バスのポイントにもなっています。
kekoさんもいます。ゴールまで残り25kmですが、この距離がまだまだずっと先に感じられます。
エイドのテントに連なるように並べられた椅子には、たくさんのランナーが座っています。
疲れ果てた表情のランナーと、時間内ゴールを確信した余裕のあるランナーが入り混じっています。

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75km地点の鶴雅リゾートエイド

ソーメンとお汁粉を戴いて、再び歩き始めました。
あと5km行けば、待望のワッカ原生花園の入口に辿り着きます。
77kmくらいでしょうか。
湖をはさんで、左手にワッカ原生花園を走っているランナーを見ることができます。
距離は随分と離れていますが、視界に捉えることができると元気が湧いてきます。
早くワッカへ行きたい衝動にかられます。

長かった国道238号線にようやく別れを告げ、ワッカへ向かう遊歩道へと入ってきました。
すでにワッカを折り返し、ゴールを目指すランナーが駆けてきます。
折り返し、ここまで来ると残りはわずか2km。

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ワッカ原生花園に向かう、緩やかな上りですが、きつく感じます

しかし、これからワッカへ入るランナーは、まだゴールまで20km以上も走らなくてはなりません。
木立の中の急な坂道を上っていくと、80km地点です。
ここから第二の折返し地点までは、8km以上もあります。

緑の木立を抜けると、一本道になった遊歩道が遠くまで延び、遙か先までランナーが小さくなって連なっているのを見ることができます。
両側の緑の絨毯の中には、黄色のエゾスカシユリが咲いています。

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原生花園の中を90km地点の折返し点をめざします

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オホーツクが広がる開放的な景色

左にサロマ湖、右はオホーツクの海、美しい景色です。
砂州に延びる緩やかなカーブを伴った遊歩道は、小刻みなアップダウンがあり、ランナーに最後の試練を与えているかのよう。

行けども行けども折返し点に辿りつきません。
折返した後の90km地点の横を通り過ぎました。
あと1kmで折返しです。

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90km地点のチェックポイント

90km地点、最後のチェックポイントを過ぎました。
もう関門はゴールまでありません。ひたすらゴールを目指し、足を前に運ぶだけです。
残り10kmを切って、雨が降ってきました。
視界を遮るものは何もなく、鉛色の空を見ると、膚寒ささえ感じます。

折返点に向かうランナーが、目立って少なくなってきました。
歩いては少し走り、また歩きだす。歩く時間が長くなってきています。
その繰り返しで、残り5km地点を過ぎました。

すでに往路の80kmのチェックポイントは、片付けられています。
どれくらいのランナーが、関門の憂き目に遭ってしまったことでしょう。

残り2kmの表示を過ぎました。
ゴールまであと100分の2の距離です。
沿道から「あと少し」と声が飛んできます。
シューズもTシャツもランパンも雨でビッショリ。
声援に押されて、残り2kmを最後の力を出し切って、ゴールの常呂町のスポーツセンターを目指します。

一直線の道が続いています。
腕時計でタイムを確認すると、11時間台で入れそうです。
直線コースを右に最後のカーブを切ると、待望のゴールが待っています。
11時間54分台、デジタル時計がはっきりと示しています。

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雨の中を完走のゴール

ゴールのアーチをくぐり抜けると、ボランティアさんが肩からスポーツタオルと完走メダルを首からかけてくれました。
やっと足を止めることができます。
雨は一向に止む気配はありません。
雨に打たれながらも、ゴールに入ってくるランナーのどの顔にも、大きな事業を成し遂げたような満足感が漂っています。
ウルトラマラソンを完走した人は、みなひとり一人がドラマの主人公です。

サロマ湖は自然の魅力に溢れ、ランナーを魅了します。
少々きつくとも、また、ゴールの感動を求め走り出すのです。
沿道のボランティアさん、町の人たちの声援、感謝いっぱいでホテルに戻るバスに乗りました。
2007.06.24 / Top↑