大峰山系の山上ヶ岳と稲村ヶ岳を歩いてきました。
山上ヶ岳は今なお、女人禁制の修験道の山、稲村ヶ岳は女人大峰ともいわれ、双方の山とも大峰奥駈の景観を堪能することができる山です。
天候に恵まれ、その美しさを存分に味わってきました。

行程
大峯大橋(清浄大橋・標高920m)5:22ー5:58一本松茶屋ー6:26お助け水ー6:46洞辻茶屋ー7:12鐘掛岩7:26ー7:43西ノ覗7:45ー7:59大峰山寺8:09ー8:11山上ヶ岳(標高1719m)ー8:47レンゲ辻8:48ー9:25山上辻(稲村小屋)9:30ー9:58大日山(標高1689m)10:00ー10:33稲村ヶ岳(標高1726m)10:40ー11:05山上辻ー11:53法力峠(昼食休憩)12:08ー12:48母公堂ー13:05大峰大橋駐車場 距離約16.4km 所要時間7時間43分(休憩含む)


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清浄大橋登山口にある山上ヶ岳案内地図

ルート

(▶印をクリックするとルートをたどります)

昨夜は、いつもより早く床に入るも、あまり眠られず。
午前1時50分に我が家を出て、2時間で大峰大橋・大橋茶屋の駐車場に到着しました。
広い駐車場には、車は一台もなく、がらんとしていました。

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清浄大橋登山口にある大橋茶屋駐車場(下山時撮影)、左・山上ヶ岳、右奥・稲村ヶ岳の方向

この駐車場は有料で、日帰りだと普通乗用車一台千円。
係員さんが、いないときには、お店のポストに料金を入れるように書いてあります。
もちろん、お金はきちんと入れました。

3年前と違って、きれいな建物のトイレができていました。
辺りは、まだ暗く、車で仮眠をとってから出発することにします。

準備を整えて、5時20分に歩き開始。
その少し前に、白装束の一人の男性が、登って行かれました。
朱色の清浄大橋を渡ると、女人結界門が現れます。
山上ヶ岳は、現在でも唯一、女人禁制の山。

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大峯大橋(清浄大橋)が登山口

修験道の山ですから、結界門を過ぎると、厳粛な気分になります。

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結界門を入ると、直立の杉林が続く

ほどよい登りの道が続きます。
素朴な花のヤマアジサイが至る所に咲き、出迎えてくれます。
人影なく、一人静かに登っていきます。

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ヤマアジサイの咲く歩きやすい道が続く

40分弱で、最初の茶屋・一本松茶屋です。
茶屋の真ん中を参道が通っています。
たくさんの人が休憩できますが、がらんとして人影はありません。

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一本松茶屋

朝日が差し込む参道をひたすら登っていくと、小さな祠のあるお助け水の前にやってきます。
先に出られた白装束の人が、お参りされていました。

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祠の下から、湧き水(お助け水)が湧き出ている

道はところどころで階段道を交えながら、続いています。
汗は止めどもなく出てきますが、標高が高いことや、木立の中で、涼感もあります。

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朝日に新緑が映える道

曲がり角に二体の小さな石仏。
横に、道標を兼ねた二少年遭難碑が立っています。
泥川6750m、大峯山頂2260mと書いてあります。

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二少年遭難碑、コアジサイが咲いている

清浄大橋から1時間半で、洞辻(どろつじ)茶屋。
大峯奥駈道との出合です。
左へ行けば、大天井ヶ岳から吉野へ。
右に茶屋の中を通り、すすみます。

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洞辻茶屋、入口に浄心門の文字

茶屋の中には、役行者さんが祀られていました。
円満不動明王、洞辻出迎不動尊と書かれた幟がたくさん立っています。

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役行者さんが祀られている洞辻茶屋

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洞辻出迎不動尊

より修験道の山という印象が強くなってきます。
回りの景色も、奥駈道の雰囲気をより濃くしてきます。

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奥駈のいい雰囲気の景色

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きれいな青空が広がる

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供養塔が並ぶ

たくさんの供養塔を見ながらすすむと、陀羅尼助茶屋。
どの茶屋も閉まっています。
休日や、祝日だと開いているのかな?。

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陀羅尼助茶屋、吊り下げられているのは参拝記念のもの?

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修験道の山らしい茶屋

陀羅尼助茶屋を出て、松清店と書かれたかつらぎ登山講指定休憩所を出ると、登山道は二手に分かれます。
左が古来からの行者道、右は新道でいくぶんか楽な道、ただし足にきますとの但し書き。
ここは迷わず、左の行者道をすすみます。

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登山道はここで二手に分かれる。左の道をいく

これまでは、比較的楽な道でした。
ここからが本格的な登山道。
岩場あり、鎖あり。
しかも、急勾配、足の運びがぐ〜んと遅くなります。

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急傾斜、長い階段道を登り終えたところで下を見る、足がだる〜い

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鎖設置の岩場、階段よりこっちの方が好き

油こぼしの行場を過ぎると、目の前に巨大な鐘掛岩が見えてきます。
この上には、岩を巻いて登って行きます。
高度感があって、高所恐怖症の自分には、恐いところ。慎重にすすみます。

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鐘掛岩、右上方が岩の最高部

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巻いて登って行く、右は奈落の底

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展望台のようになっている鐘掛岩の下、周りはシモツケソウが咲く

鐘掛岩の頂きは、コースから外れて登ったところにあります。
慎重に登って、鐘掛岩の上に立ちました。
足、すくみそう。あんまり端っこには寄らないようにします。
眺めは、最高、申し分なし。

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鐘掛岩からの眺め、奥駈の道が延びる、左に高く聳えるのは大天井ヶ岳

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ここは行場、役行者さんが祀られています

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標高は1600mほど、いつまでも眺めていたい景色

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正面に稲村ヶ岳が見えてます

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いい眺めなのに山座同定ができない、残念

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歩いて登ってきた者だけが、味わえる景色

元の道へ戻り、先へと向かいます。
戻ったところには、立派な方位盤がありました。
その先は、さきほど二手に分かれた道が合流するところです。
右手の道を登っていたら、油こぼしや鐘掛岩は見られないところでした。
下りは、こちらの道へ行くように示されています。

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石造りの立派な方位盤、合流地点で振り返って見る

しばらく平坦で歩きやすい道が続きます。

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こんな道だと楽です

石の道に変わってくると、いよいよ大峯山寺。

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大峯山寺・等覺門

正面に宿坊が見えてきます。

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宿坊が見えてくる

ルートを外れて西の覗の行場へ立ち寄り。
ロープにくくられて、岩場から落とされるような行場として、あまりにも有名です。
こんな朝早くですから、誰もいませんが。
いたとしても、そんな体験は自分には無理。
早々と退散します。

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西の覗行場

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健康に自信のない人、高所恐怖症の人はご遠慮下さいの注意書き、右の写真は岩側から見たところ

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ここから吊り下げられる

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この下は断崖絶壁、真下はとても写真に撮れません。左・山上ヶ岳、奥に稲村ヶ岳

宿坊が建つところにやってくると、オオヤマレンゲがありました。
花期はすでに終わり頃、一つだけ蕾が残っていました。
愛らしくて、清楚な花ですが、花の終わりは余りにも惨めで載せるにははばかれます。
その横では、コバイケイソウの花が咲いていました。

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一つだけあったオオヤマレンゲの蕾、コバイケイソウの花

石段を登り、妙覚門をくぐってすすむと、大峯山寺の本堂です。

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大峯山寺妙覚門、石段を登った先、左に本堂

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妙覚門から本堂を見る

堂々とした本堂です。
本堂の中には、お寺の人はいましたが、山へ登ってきた人を見ることができません。
ここまでやってきて、出会ったのは、あの白装束の人、一人だけ。

本堂でお参りし、まわりをぐるりと回ってから、お花畑へ。

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荘厳な雰囲気の漂う本堂、本尊は金剛蔵王権現さま

お花畑は、一面、ササの原。
ここも開放的で、いい眺め。

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お花畑にいく途中で本堂を振り返る、お花畑・山上ヶ岳山頂

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右に特徴的な姿の稲村ヶ岳

パノラマの景色が広がっています。

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お花畑から大峯山系の山を眺める(画像クリックで拡大)

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視線をさらに右へ(画像クリックで拡大)

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左に稲村ヶ岳

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さらに左に、奥駈の山

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ササの原が広がる山頂一帯

お花畑を抜けて、レンゲ辻へと下ります。
分岐の道標を見て、急坂を下っていきます。

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レンゲ辻分岐、左(西)に下る

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下る途中で見る景色(北方向)

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山に囲まれた集落が少し見える

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右に大天井ヶ岳、中央奥左寄りに金剛山、大和葛城山がうっすらと見える

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レンゲ辻への急な階段道

ササが茂る道は、ズボンを濡らします。
途中で立ち止まり、スパッツを付けました。

傾斜があり、レンゲ辻から登ってくる方がきつそう。
お花畑から30分ほどでレンゲ辻です。

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下って、レンゲ辻の女人結界門が見えてきた

結界門を出ると、レンゲ辻。
レンゲ坂谷ルートとの合流点です。

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レンゲ辻から下ってきた山上ヶ岳方向を見る

レンゲ辻から山上辻へ向かいます。
最初は急な登りですが、やがてトラバースの歩きやすい道へと変わります。

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稜線の向こうに金剛、葛城山、トラバース道から見る

道が崩れたようなところもありますが、適度なアップダウンのあるいい道です。

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歩きやすいトラバース道

稲村小屋の建物が見えてくると、山上辻です。
小屋は閉まっていますが、トイレやベンチがあり、休憩するには良い場所です。

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山上辻(稲村小屋)、道を前方にすすむと稲村ヶ岳

ベンチに腰掛け、小休憩。
それにしても、誰にも会いません。
こちらは女人禁制ではないのに…。

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稲村小屋

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こんないい天気なのに、誰もいません。山も景色も独り占め

ここから登り坂が続きます。
ブナやササ原の道で、清々しい印象の道です。

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山上辻登り口にある稲村ヶ岳への案内

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背丈の低いササが地面を覆う

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先ほど登った山上ヶ岳が遠くなる

右手前方に尖った形の大日山が見えてきます。
まずは、あの頂きへ。

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右前方に大日山

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岩肌を沿うようにすすむ

キレットのところにやってくると、大日山への道標があります。
急登ですが、梯子や鎖が設置され、10分ほどで登ることができます。

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大日山へは、細くて急な道、梯子や鎖があり、安心して登れる

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大日山頂上までもうすぐ、頂上には大日如来さまが鎮座している

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大日山頂上

大日如来さまにお祈りして、先ほどのキレットのところへ下ります。

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大日キレット

ここからさらに、急登となり、きつい登りが続きます。
息が上がり、重い足取り。

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鎖もある急坂

この急登は、一旦終わり、平坦になってきます。
ここで思い違いをしていました。
前回、稲村ヶ岳へ登ったのは、3年前。
キレットから頂上までずっと急登の印象が残っていて、平坦な記憶はありませんでした。
それが、災いして、道を間違えたのでは?と思い、頂上を目前にして、引き返してしまいました。

しかし、脇道にそれるような道はなく、一本道。
地図で確認して、自分が勘違いしていることに気付きました。
引き返した距離は200mくらい。
時間に余裕があり、天候が良いときには、落ち着いて確認、考えることができます。

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途中にシャクナゲの群生、右に上がればすぐに頂上なのですが、ここで一度引き返してしまいました

急登を登り切ると、鉄製の展望台があり、頂上到着です。
三等三角点が、展望台の階段脇にあります。

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稲村ヶ岳展望台と三等三角点

展望台は360度の景観。
時間が経って、山上ヶ岳から見たときより、雲が広がり視界も悪くなっていますが、それでもいい景色です。
ここでも、景色を独り占め。

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山上ヶ岳を見る(東側)

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標高1726m、奥駈の山が続く

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北側の景観、樹林の奥に大天井ヶ岳

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中央手前、大日山

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東南方向の景色

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南方向、左奥に弥山

稲村ヶ岳を後にして、あとは下るだけ。
山上辻まで戻り、法力峠を経由して母公堂(ははこどう)へと下ります。
山上辻へ下る道で、ようやく一人の男性とすれ違いました。
一般登山者に出会うのは、今日初めての人。

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山上辻の分岐、左・法力峠を経由し洞川、右・レンゲ辻、木の幹に洞川の道標

山上辻から母公堂登山口まで、ゆるやかな道です。
崩れた箇所が、いくつかありますが、補修がされていて、支障はありません。

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整備された、ゆるやかな道が続く

高齢者ご夫婦の方と、出会いました。
「やっと、人に出会えた」と、言っていました。
同感です。
結局、下山するまで出会ったのは、白装束の人を含めて4人だけ。

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いい道です。下山時に見る大日山

法力峠まで下りてきたところで、ちょうどお昼時。
ここで、コンビニで買った助六寿司と、おにぎりで昼食にしました。
ここまで下ってくると、母公堂までは40分ほど。

下山道もヤマアジサイがいっぱい咲いていました。

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法力峠(左写真)で昼食休憩、ヤマアジサイの道を下る

五代松鍾乳洞との分岐から母公堂までは、道標に200mとなっていました。
でも、実際には200mよりもずっと長い距離です。
山の道は長く感じられるものですが、これは絶対、表示間違い。
そう一人でつぶやきながら、登山口に出ました。

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五代松鍾乳洞と母公堂との分岐、やっと母公堂登山口に出てきた
   
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母公堂登山口と母公堂

車道へ下り立つと、駐車場まで舗装道を歩くだけ。
駐車場に止まっていたのは、他に一台のみ。
これでは、山で人に出会わないはずです。

駐車場の管理をしているおじさんが、トイレを掃除しているところでした。
「立派なトイレができたのですね」と聞くと、
去年できたばかりでした。

早朝から歩き始めたので、まだ午後1時過ぎ。
8時間近く歩いてきましたが、随分、早く下山することができました。
夏場の山歩きは、日が長く、余裕をもって行動でき、安心感があります。
登山者が少ないのは、意外でした。

山上ヶ岳から稲村ヶ岳を周回すると、歩き応えがあります。
前回の稲村ヶ岳は、天候に恵まれなかっただけに、今日の山歩きは、印象に残るものとなりました。


2016.07.07 / Top↑
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