今回の旅は、相方さんがある旅行会社のパンフを見て、「三瓶小豆原埋没林へ行ってみたい」という言葉が発端でした。
近くには世界遺産の石見銀山があり、三瓶温泉や三瓶山もすぐです。
個人的には埋没林より、三瓶山に惹かれました。
ツァーでは、山歩きもできず、何かと不自由。
そこで、マイカーでの二泊三日の旅となりました。

事前の予報では、月曜日が晴れ、火曜、水曜日は雨。
一日目に念願の三瓶山に登り、今日、二日目は石見銀山と埋没林の見学です。

予報通り、朝から雨です。
宿をゆっくり目に出て、世界遺産になっている石見銀山へ向かいました。
山なら、事前に下調べをしていくところですが、石見銀山も三瓶埋没林も準備をせず、何の知識もありません。

最初に、石見銀山世界遺産センターに立ち寄りました。
係の人から石見銀山の概略と、見学ポイントのレクチャーを受けて、一般の観光客が行く町並み地区と銀山地区を見ることにしました。

ここへ来るまでは、狭いエリアなのかと思っていました。
ところが、いくつもの山を含めた広いエリアで、到底一日では、回りきれないということが分かりました。
最初から、これですから、今回の見学はいくつもの驚き、発見がありました。

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世界遺産・石見銀山のエリア

町並み地区と銀山地区の端から端までの距離は、約3.1km。往復6.2km。
歩くだけでも、片道1時間はかかる距離です。
町並み地区と銀山地区の境にある駐車場に車を置いて、まずは古い家並みが並ぶ町並み地区へ。
(指定されているところ以外は駐禁、エリア内はマイカー通行禁止)


歩いたルート

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駐車場広場にある石見銀山立体配置図

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町並み地区と銀山地区の間に駐車場がある

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駐車場付近には案内所、レンタサイクル、トイレ等がある

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駐車場にある案内板、置かれている自販機も世界遺産仕様

この距離を歩くのが大変なため、レンタサイクルを利用する人が多いようです。
歩いてこそ、その良さが分かるというもの。
雨が降る中、てくてく歩きました。

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ひどい雨ではないが、ぽつぽつと降っている

前置きが長くなり過ぎました。
あとは、下手な写真での紹介とします。


タイムスリップしてきたかのような光景です。
さりげない素朴な美しさがあって、とても、落ち着きます。

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どこかなつかしいプレート

玄関脇にさりげなく置かれた草花。格子には竹筒に活けられた花、
生活している人の知恵と、センスが伝わってきます。

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アレンジされて置物や花が添えられている、右の瓶の中にはメダカが飼われていました

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きれいな花で飾られた通り

昔のままの水路なのに、そこには草花が生命を育み、通る人の心を和ませます。

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水路を彩る草花

托鉢で回るお坊さんを見かけました。
古い家並みと共存して、人々が生活しています。

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托鉢のお坊さん

雨が降っているせいもあるかもしれませんが、目に入る光景はしっとりとした美しさが感じられます。
丁寧な案内板が設置され、それらを見て回るだけでも、いろいろと教えられます。

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石見銀山代官所附地役人遺宅・阿部家(内部非公開)

ここは、映画「アイ・ラブ・ピース」の舞台になったところで、ロケされた場所には、看板が立っていました。
2003年に公開され、聾者の義肢装具士見習いと地雷で足を失ったアフガニスタンの少女が主人公の映画です。

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映画のロケで使われた家屋

古い町並みが残る地区は、大森区域にあたり、大森町住民憲章の看板もありました。

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大森町住民憲章

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大森区域の案内板

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旧大森区裁判所(現大田市町並み交流センター)

ちょっと荒れた感じの残る観世音寺は、とても印象に残りました。
質素な花が咲く石段を登った山門の両側には、大きな金剛力士像。

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石段を無数の花が彩る

大きなお寺なのですが、今は鐘楼はあっても鐘はなく、その横で大手毬と藤の花が待ち人を待っていたかのように咲いています。
本堂の裏手に回ると、お墓があり、その周りの広いスペースにも、季節を彩る花々が多くありました。

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鐘楼の横に咲く大手毬と藤、花に囲まれ石仏が並ぶ

ここでの見どころは、なんと言っても、赤い石州瓦の町並みを一望できる景色です。

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観世音寺から石州瓦の町並みを見る1

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観世音寺から町並みを見る2

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観世音寺、岩をくり抜き石仏が祀られている

郵便局や金融機関の建物も、この古い家屋を利用したもの。
待合を兼ねたテラスには、陶器製のイスとテーブル。
このあたりにも、世界遺産の意識が感じられます。

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大森郵便局

変わった橋がありました。
橋の欄干が屋根のようになっていす。
単なる意匠だけなのか、それとも特別の意味があるのか分かりませんでした。

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袴をつけたような橋

銀山で栄えたと言われる商家・熊谷家は立派な格式の高さを感じられる建物でした。
それを証明するような五月人形が飾られていました。

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重要文化財・熊谷家住宅

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熊谷家の内部、五月人形が飾られていました

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熊谷家の内部(

てくてく歩いて、町並み地区の一番端にある城上神社にやってきます。
その間には、小さなお土産屋さんやカフェなどがあります。

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ここでは丸形ポスト健在、看板もひと工夫されている

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どこでもあるような風景に見えて、よく手入れ、整備がされている

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有馬光栄堂、焼き菓子・げたのはのお店

一際目立つ建物が、大森代官所跡(現石見銀山資料館)。

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大森代官所跡

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大森陣屋の案内

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現在は、石見銀山資料館

城上神社にも目を奪われました。
このエリア内の神社やお寺は、古くこそあれ、どこも風格のようなものを感じられます。
お社の注連縄は、出雲大社を思わせるような大きなもの。

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城上神社、大きな注連縄が目を惹く

境内の大イチョウの木、
どーんと置かれた亀石も印象に残りました。

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境内の大イチョウ

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亀石、後方に大木がある

拝殿に入ると、天井には龍の絵。
その真ん中の板の間のところに座って、手を叩くと、不思議な余韻が耳に響きます。
楽しんでしまいました。

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天井に龍が描かれている

城上神社から駐車場の方へ戻り、反対側の方向になる銀山地区を龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)へと歩きます。
駐車場から龍源寺間歩まで片道約2.3km。

銀山川の橋を渡り、南の方へ歩きます。
小さな校舎の大森小学校の前を通り、ゆるやかな登り道をすすみます。
川をはさんで、未舗装の遊歩道が完備されていますが、レンタサイクルも通る舗装道を歩きました。

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銀山川を渡り、左(南)にすすむ

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この家並みを過ぎると、家屋は少なくなる

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川をはさんで遊歩道(左側の道)が通っている

銀山地区の道は、民家はまばらで、山間の印象が深くなります。
大森小学校の前を通りましたが、児童は全校で10人程度のようでした。

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大久保石見守墓所

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途中にある案内図、この道は中国自然歩道になっている

変わった造りの建物があるのは、下河原吹屋跡。

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下河原吹屋跡

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途中にある出雲そばのお店、定休日でした

だんだん山の中に入ってきます。
たまに、雨合羽を着たレンタサイクルの観光客さんが過ぎていきます。
片道2.3km、しかも傾斜道ですから、そこそこの歩き応えはあります。

道端には、花をあしらった「のんびり歩こう 銀山路 銀山自治会美化部」の看板。

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のんびり歩くのが、おすすめ

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山間の家屋

龍源寺間歩のところへ行くまでにも、小さな間歩をいくつも見ました。
ここへ来て、間歩とは、坑道のことだと初めて知りました。

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小さな間歩をいくつも見る

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龍源寺間歩手前で振り返って見る

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橋を渡って龍源寺間歩入場受付

狭い間歩を歩きます。
江戸時代中期、銀を採掘した坑道です。
油断すると、頭をゴツン。

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龍源寺間歩入口

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狭い坑道が続く

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大掛かりな機械がないなかで、これだけ掘るのは驚き

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狭い鉱脈の跡には、草が見られました

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坑内説明図

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こんな狭いところで作業していたのですから、過酷です

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こちらは、新坑道

坑道の中には、当時の様子が描かれたパネルが展示されていました。
これを見ると、過酷という言葉を通り越しています。
ここで搾取されていた人の犠牲によって、潤った役人や人がいるのです。

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鉱石を掘る様子

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鉱石を運ぶ様子

いろいろ考えさせられました。
間歩を出て、歩いてきた道を駐車場へと戻ります。

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これも立派な佐毘売山神社、間歩を出て下る途中にある神社

戻ってくると、お昼の時間はとっくに過ぎていました。
橋のたもとにあるCafe住留(じゅーる)さんで、それぞれパスタランチとピザランチを食べました。
どちらも、とてもおいしく、また、行きたくなるようなお店でした。

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パスタランチ

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ピザランチ

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Cafe住留さん

マスターは、一時期、生駒市に住んでいる方でした。
「どこを見られましたか?」と聞かれて、「町並み地区と銀山地区を歩いてきました」と応えると、舗装道以外のいいところがたくさんある話しをして下さいました。

歩いてみて、脇道への道標がたくさんあり、興味をそそられるところが確かにありました。
でも、また、ここへ来られるかどうか分かりません。
もし、機会があれば、今度は遊歩道を歩きます。
銀山をぶらり歩きして、すでに4時間近く経っていました。

銀山を後にして、三瓶小豆村埋没林へ向かいます。
石見銀山から埋没林まで車で40分ほど。
山間の田園地帯の中にあります。
もともと、この埋没林は農地の改良で偶然に発見されたもの。

発見された当時の様子をそのまま保存する工夫がこらされていて、展示館は地下深く造られています。

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展示棟案内図

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展示棟入り口、建物の中は階段が地下深く延びている

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展示は、発掘された状態で保存されている

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発掘の状況を写真パネルで詳しく紹介

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土も木もそのままの状態で保存

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4千年前の姿がそのまま目の前で見られる

現物を目にすると、とても4千年前のものとは思われません。
発掘された時は、今あるかのように見えたそうです。

それが、空気に触れた途端に、幹の表面は焼きただれたようにみるみるうちに、変化したとありました。
まるで、浦島太郎と一緒です。

スッポリと輪切りにした幹の表面は、はっきりと年輪が分かり、匂いを嗅ぐと、木の香りがしました。
驚きです。
4千年前の木の香りを嗅いでいるのですから。

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これが4千年前の木、とても4千年も経っているとは思えません

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これで樹齢何年なのでしょう

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こちらの木は年輪から3つの木の合体木

全国の埋没林のパネルもありました。
これには33ヶ所も埋没林があります。
そんなにたくさんあるとは知りませんでした。
これも、初めて知りました。

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全国の埋没林を紹介するパネル

三瓶埋没林は、三瓶山の噴火によって埋没してできたもの。
木々が朽ちなかった理由は、地下水に浸されていたことで、劣化の進行が極めて緩やかで、食品の缶詰と似た状態をつくり出していたからなのだそうす。

自然の力とは、想像を遙かに超えます。

今夜も昨夜と同じで三瓶温泉に泊まります。
宿は別にしました。
2017.05.09 / Top↑
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