「乙女の寝顔」の美称で知られる和歌山県にある半作嶺(はんされい・はんさみね)。
関西百名山の一つでもあり、以前から登ってみたい山でした。

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平瀬の集落から見る半作嶺(右)、三ツ森山は半作嶺から続く左の稜線上にある

今回、この半作嶺とその東、稜線上に位置する三ツ森山を縦走してきました。
よじ登るような急登や激下りあり、天候にも恵まれ、素晴らしい景色を味わうことができました。
帰りには、高野の護摩壇山と龍神岳にも立ち寄り、距離は短いながらも、4つの山巡り、ぜいたくな山歩きとなりました。

半作嶺から三ツ森山縦走

行程
自宅2:20〜(阪神・近畿・阪和・湯浅御坊自動車道)〜5:15半作嶺北登山口5:53ー6:13半作峠ー6:50半作嶺(標高893.5m)7:03ー7:33半作峠ー7:46電波塔ー8:02ピーク845峰ー8:55三ツ森山(標高950m)9:27ー10:26半作峠ー10:40半作嶺北登山口10:50〜護摩壇山へ向かう 距離約6.2km、所要時間(休憩含む)4時間47分 累計高度(+)約590m


ルート



午前2時20分、自宅を出て阪神高速・水走ICから高速道路を乗り継ぎ、半作嶺北登山口に5時15分到着。
あたりは、未だ真っ暗。
持ってきたおにぎりを食べ、まわりが明るくなるのを待ちます。
半作嶺登山口には、数台は車が置けるスペースがありますが、こんな早い時間では、他に止まっている車はありません。
時折、軽トラックが過ぎていきます。
多分、朝早くから作業をされる現地の人でしょう。

明るくなってきました。
今日は雨の心配はありません。
それでも、合羽はザックに入れ、駐車場の向かいにある登山口から登り始めます。

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駐車場の向かいにある登山口、階段を登っていく

まだ、ほの暗さが残る杉林の中を登っていきます。
なにか出てきそうな感じ。
車で林道を上がっているときに、道に出ているタヌキさんを3匹見かけました。

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杉林の道

 結構、急です。
先日歩いた京都トレイル夜泣峠への登りを思い出させます。
大きな岩の横を通り抜け、ゆるやかな斜面の道になってくると、やがて笹が目立つ道になり半作峠です。

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岩の横を通り抜ける

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ササ道となると峠はすぐ

登山口から20分ほどで半作峠に着きました。
半作嶺と三ツ森山との分岐で、お地蔵さまが見守ってくれています。
東方が開け、山並みが見えます。

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半作峠の表示

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峠のお地蔵さま、二体あります

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半作峠から東側を見る

峠を右に半作嶺に向かいます。
しばらくは平坦な道。
半作嶺に導く道標を過ぎると、一変して急登となります。

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峠から半作嶺に向かう

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この道標を過ぎると急登となる

急登を登らず、巻いていく道もあります。
道が分かりにくいところもあり、要注意。
テープを確認してすすみます。

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ここは直進せず、右に巻いてすすむ

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ここは登る

登り下りしながらですが、急です。
根っこや岩を掴んで、足元を確認しながらすすみます。

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木の根を掴み、足を滑らせないように登る

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掴みやすい木があり助かります

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ここも乗り越える

半作嶺は、麓から見ると、乙女の寝顔に見えますが、登ってみると、そのイメージとは真反対。
荒々しい山です。
切れ落ちた崖のようなところもあり、足を踏み外さないように、注意して歩きます。

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テープを確認してすすむ

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左側は深く落ち込んでいる

急な岩場の道を登って頂上に立ちました。

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ここを登り切ると、頂上

狭い頂上に、三等三角点が設置されています。
朝日がまぶし〜い。
いい景色。

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頂上は狭い

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三等三角点がある

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正面やや左に三ツ森山、右手前の山の稜線と樹木の境辺りが半作峠

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岩の下は、奈落の底

幾重にも連なる山、山、山。
山頂の岩に腰掛けて、ずっと見ていました。
景色を独り占めして、眺めています。

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右に、三ツ森山

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次に向かう三ツ森山

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三角の山は、何山?

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山がありすぎて、山名が分からない

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幾重にも山が重なる

山頂を下って峠へ戻ります。
登ってきた反対側にも、岩場の登山道が通じています。
と言うより、こちらの方が正規のルート?。

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頂上につながる岩場

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ロープ場が連続

頂上の左側を巻いて登ってきました。
ネットでは、こちらの方がよく紹介されています。

下りはこの道で。
ロープが設置された道を慎重に下り、半作峠へ戻り、さらに東進して三ツ森山に向かいます。

半作峠からしばらくは、ゆるやかな道。
ブッシュのようになっていて、わかりにくいところがあります。
三ツ森山まで、道標はほとんどなく、テープが頼りになります。

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テープをたどる

杉林の中に、朝日が差し込んで輝いています。

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朝日が差し込む光景

尾根道の縦走路は、樹林に覆われた道ですが、植林が伐採されたところもあり、展望がききます。

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縦走路から見る右手側の眺め

半作峠から15分余りで、木が広く伐採された電波塔の前にやってきます。
小休憩するにはよい場所です。

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この坂を登ると、電波塔の前

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電波塔、北西方向

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電波塔から見る景色、北方向

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上の写真をアップで

林の中をすすみます。
アップダウンはあっても、急登のようなところはありません。
枝道のような、踏み跡のついたような道があり、迷ってしまいそうなところや、ブッシュで不明瞭な箇所があります。
何度も立ち止まり、確認します。
ルートを逸れて、軌道修正したことも何度かありました。

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景色を楽しみながら歩く

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細い尾根道もある

半作峠から30分で、845m峰です。
樹木の中のピークで、展望はありません。

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845m峰、四等三角点

軌道修正したところはありましたが、大きなアップダウンはなく、峠から楽に歩いてきました。
地図を見ると、峠と三ツ森山の間、半分以上を歩いてきています。
「なんや、もうすぐじゃん」。

これが大間違い。
ここを過ぎてからが、三ツ森山の試練。
やがて、急登の道が待ち構えているのです。

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真ん中に樹木、右に行こうか、左にしようか

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試練の急登の始まり

岩が目立ってきます。
巻いて登ると、今度は下り。
そして、さらに急登の登り。

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岩のところにシャクナゲ群生

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ここは登らず、左に巻いてすすむ

急な登り下り、尾根から見える景色が、救ってくれます。

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一息入れて、景色を眺める

木の根を掴み、岩を掴み、笹をも掴んで登ります。

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ここも急だ

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また、景色を見る

ロープ設置が何ヶ所もあります。
でも、木の根っこや岩を掴む方が安心感があります。

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ロープのある急登、当然のことながら、帰りは、ここを下らなければならない

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ここを登ると、前方に三ツ森山が見えてくる

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三ツ森山が見えてきた

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同じ場所から見る景色、素晴らしい

急坂の下り。
その先はブッシュ。
変化に富んだ縦走路です。

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急坂では、笹も手助け。緑色のロープあり

ブッシュのところは、かき分けてすすみますが、そこに、ノイバラやサルトリイバラたちが棘の洗礼。
「アイタタタ」。
油断禁物。

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道もよく分からないようなところを、かき分けてすすむ

ヒメシャラが目立ってきます。
幹に触ると、ちょっと冷たくて、気持ちいい。
さぁ、もう少しで、三ツ森山。

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ヒメシャラに触る

急登に耐えながら、大きな岩を巻いて登ると、頂上はもうすぐ。

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大岩を巻いて登る

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ここは最後の登り

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登り切ったところで、振り返って見る

やっと登り切りました。
思わず、バンザイしたくなります。
しても良かったのです。
たった一人でしたから。

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真ん中の岩場のところに、山頂標識がある

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三ツ森山山頂

絶景が広がっています。
しかも、快晴。
自然が与えてくれる素晴らしい贈り物です。

来る途中でコンビニで買った助六寿司を、絶景を見ながらおいしくいただきました。

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山頂から見る東側の景色、手前に百間山、法師山、その左奥に大塔山

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どこまでも広がる青い空

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歩いてきた半作嶺に続く稜線を振り返る

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百間山、法師山、大塔山の山並み

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三ツ森山から続く稜線

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アップして見る

山頂標識より上に、大きな岩があります。
この岩の上が、最高点。
三角状の岩なので、恐る恐るその頂点に登ってみました。
まさに、崖っぷち。
もちろん、落ちたら、おしまいです。

景色が一段とよく見えます。

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山頂の大岩、岩の間から健気に育つ小木

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三角形の岩なので、恐い

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角度を変えて大岩を見る

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岩をアップで撮ると、どこかアルプスの山のよう

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大岩の向こうに、百間山、法師山…

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ツツジを前景にして

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こちらは反対方向

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その中間

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岩の上から恐る、恐るして写真を撮る

いつまでも見ていたい景色です。
何枚も何枚も写真を撮りました。

枯れ木になった立木。
針葉樹もあれば、広葉樹もあり、樹木の種類も豊富。
上を見れば青空。
飽きが来るはずがありません。

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枯れ木にも味わいがある

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常緑樹と落葉樹が混じる

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青空だと樹木も一段と映える

いつまでもいたい気分ですが、頂上を後にしました。
景色を目に焼き込んで…。

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日本って広いなぁ、改めて感じてしまいます

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連なる山々を後にして…

下ろうとするときに、足元に咲く、小さな花、ママコナの花を見つけました。
あまりに小さくて、気が付きませんでした。

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目立つことなく咲くママコナ

往路と同じ道を辿って登山口に戻ってきました。
帰る途中でも、ちょっと道を誤りましたが…。
止められた車はデミオのみ。
一人静かな山歩きでした。

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下山時の半作峠

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デミオがポツンと一台、後方、半作嶺

とても変化のあるいい山でした。
距離は短いものの、冒険しているような感じがしました。
登り下りの急登は、神経も使い、楽ではありませんが、それだけに山頂に立った感動は言葉に言い表せません。
関西百名山の半作嶺よりも、知名度で劣る三ツ森山の方が、印象に残りました。

時間が早く、近くの法師山でも登れる時間がありましたが、急登を凌いで絶景を見た後だと、気乗りしません。
急遽、帰り道を変更して、高野龍神スカイライン経由で、護摩壇山タワーへ向かいました。


護摩壇山から龍神岳

行程
12:47ごまさんスカイタワー駐車場ー12:50ー13:02護摩壇山(標高1372m)13:04ー13:15龍神岳(標高1382m)13:20ー護摩壇山ー13:38護摩壇山タワー 距離約2.5m、所要時間48分、累計標高差約150m






半作嶺登山口から車で移動途中、平瀬の集落から乙女の寝顔を撮影(冒頭の写真)。
龍神温泉を通り、道の駅「ごまさんスカイタワー」に2時間かかって到着。

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ごまさんスカイタワー、登山口はこの左横を入る

駐車場から見ると、護摩壇山も龍神岳も目の前に見えています。
しかも、高低差も少なく楽して上がれそう。
視線を左に向けると、伯母子岳方面の山並みもはっきり。

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スカイタワー駐車場から見る護摩壇山(右)と龍神岳(左)

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駐車場から伯母子岳方向を見る

護摩壇山は、源平の合戦に敗れた平家の平維盛が、護摩木を焚いて、その命運を占ったといわれる伝説の山。
スカイタワーを左に入ると、その裏手に登山口があります。
広い遊歩道が延びています。
ところどころで、松の木を見かけますが、多くはカエデやモミジなど落葉樹が主のゆるやかな道です。

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ゆるやかな道で歩きやすい

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途中にある案内板

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駐車場から距離は少し

遊歩道の途中には、ハイキング道や野鳥の案内板などが多くあり、休憩用ベンチも置かれています。

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距離は短いが、ベンチもある

遊歩道は、階段道に変わり、傾斜を増したところで、護摩壇山に着きました。

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階段道に変わり、そのまますすむと、護摩壇山

東屋、山名盤、それに和歌山県朝日夕日百選のモニュメントも立っています。
紀伊水道を挟み、遠く四国の雄大な山並みも見えると書いてあります。

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山頂の山名盤

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東屋があり、山頂は小広場

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朝日夕日百選のモニュメント

護摩壇山から龍神岳へ向かいます。
一旦、ゆるやかに下って、登りです。
同じような道が続きます。

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龍神岳の道標がある

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紅葉が楽しみな道

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稜線から右手に見える景色

正面にドームのアンテナが見えてくると、そこが龍神岳です。

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ドームアンテナが見えてくる

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山頂手前は石畳

こちらも開放的な山頂です。
護摩壇山に比べて知名度で劣る龍神岳ですが、こちらが和歌山県最高峰。
その石柱があります。

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立派な山頂碑、和歌山県の最高峰だけあって、お金をつぎ込んでます

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最高峰と示された石柱

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アンテナが立つ
いい眺めです。
三ツ森山の後だと、印象が薄くなってしまうのは、否めませんが…。

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山頂からの眺め

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通ってきた高野龍神スカイラインが見える

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龍神岳から護摩壇山を見る

5分ほどいて、駐車場に戻りました。
往復で50分足らず。
楽々ハイキングでした。

護摩壇山は、関西百名山の一つですが、この百名山の中では、おそらく、一番、楽に登れる山でしょう。
スカイタワーで、駐車し休憩する人はたくさんいますが、この護摩壇山や龍神岳まで歩く人は少ないようです。
何台もの車や単車が多く止まっていましたが、ハイキング道で出会う人はありませんでした。

スカイタワー駐車場を午後2時前に発って、我が家には午後5時に帰ってきました。
車の運転、長いです。
南紀の山は、まだまだ登りたい山が多くあるのですが、なにしろ、距離が遠く時間がかかります。
一泊して、複数の山を登る方が楽ですね。

これで、関西百名山は90の山を踏破。
残るは、あと10。

今年中には、あと4つくらいは登りたいですが、残っているほとんどが南紀の山です。
お天気具合をみて、また、登ります。

2017.09.29 / Top↑
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