奈良交通バスハイクで、西大台を周遊してきました。
大台ヶ原と言えば、日出ヶ岳や正木ヶ原、大蛇嵓などで知られる東大台がよく知られています。
西大台は、自然公園法により、国の利用調整地区として指定され、立入には事前申請が必要です。
好天とはなりませんでしたが、自然美が色濃く残る景観を味わうことができました。

行程
JR奈良駅6:45〜(近鉄八木駅・橿原神宮前駅経由)〜10:50大台ヶ原駐車場ービジターセンターにてレクチャー(約20分)ー駐車場11:55(西大台口)ー12:02西大台出入口ー13:19七ツ池13:25ー14:12開拓跡14:20ー14:42開拓分岐14:43ー15:03展望所15:12ー15:32開拓分岐15:35ー16:13巨石(たたら力水)ー16:22中ノ谷渓流小橋ー16:45ナゴヤ橋渓流小橋16:48ー17:09駐車場17:30〜19:55近鉄橿原神宮前駅 距離約8.7km、所要時間(休憩時間含む)5時間14分、累計高度(+)約620m、参加数27名、ガイド3名。(9人毎3グループで行動)

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上北山村観光パンフレットより

ルート



2日前に襲った台風の影響で、近畿地方は大きな被害を受けました。
各地で土砂崩れや河川の氾濫、道路も被害を受け、大台行きが危ぶまれました。
決行はできたものの、国道169号線は一部で不通。
迂回して、予定時刻より30分近く遅れの大台到着になりました。

平地でも昨夜から雨が降り続き、大台ヶ原一帯はガスで視界不良。

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ガスで視界不良、まずビジターセンターへ向かう

到着するや、ビジターセンターで、レクチャーを受けてから出発です。
レクチャーでは、西大台登山マップ、ガイドブックをもらい、スクリーンに写し出される映像を見ながら、説明を受けました。
利用調整区域とは何か、歩くにあたってのルール、マナーなどの説明を受けました。

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レクチャールームで、説明を受ける

周遊は、1グループで10人までと決められています。
しかも、各グループの間隔は10分以上空けることになっています。
9人グループで3つの班に分かれ、昼食をバスで摂ってから出発しました。

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西大台のとりつき

木製の階段を下りてすすむと、大台教会。

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階段を下ると、大台教会がある

さらに下ると、西大台周遊の出入口があり、ここで、チェックを受けます。
許可を受けた者には、立入認定証が渡されていて、監視員から求められれば、それを提示しなければなりません。

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一般ハイカーは立入禁止

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立入認定証を提示してチェックを受ける

大台の自然を守るため、入口に置いてあるマットで、靴底の泥を落としてから入ります。
多少のアップダウンはありますが、開拓分岐までは下り基調の道です。
少し下ると、分岐があり、ここを直進して、半時計回りで周回します。

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半時計回りでナゴヤ谷上流部に向かう

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ガスで覆われているが、雨が降っていないのが救い

ガレ場のような道を下っていくと、平たくなったナゴヤ谷の上流部に着きます。

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周りは、多くの苔が覆う

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ナゴヤ谷上流部の光景

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白く霞み、幻想的

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渓流の上には、ピンクのマユミ

ここで一度目の渡渉。
台風と雨の影響で、水量が多くなっています。
でも、ここの渡渉は、序の口。この先、何度も渡渉を繰り返します。
足を滑らさないように、慎重に渡ります。

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一度目の渡渉、神経を使います

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渡渉してから振り返る

渡渉した近くに松平武四郎碑がありますが、ここへは寄らず、先へとすすみます。

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200m先に松平武四郎分骨碑がある

しばらく、渓流を左に見てすすみます。

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渓流が左手に

やがて、渓流から外れて、短いアップダウンを繰り返しながらすすみます。
シカ除けの防護柵が張られています。
レクチャーでは、確実に成果が上がっていると、説明がありました。

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防鹿柵で、林床の植生がされている

赤い実のミヤマシキミが目立つようになります。
この先には、群生しているところがあります。

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ミヤマシキミが引き立つ

東大台は、遊歩道や立派な道標が整備されていますが、西大台は必要最小限のものしかありません。
遊歩道も、できるだけ手を入れず、残されています。
そのため、東大台に比べ、歩きにくい道です。
それだけに、自然美の味わいも深いものがあります。

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朽ちた木に、苔が張りついている

晴れれば、違った味わいもありますが、ガスのかかった風景、雨に濡れた樹木、落ち葉もいいものです。

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見ていて飽きない光景

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空を見上げる

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雨でしっとり感が増す

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小さな渡渉

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濡れた落ち葉がきれい

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道標類は必要最低限のものしか示されていない。岩にキノコ

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カエデを前景に

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谷を埋める倒木、その上には緑の幼苗、成木した葉は黄葉

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種類の違った苔が生える、右・セイタカスギゴケ

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苔に覆われる倒木、枯れ木ですが、新たな生命力を感じます

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自然の力が織りなす美

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静かな山歩き

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岩の間を縫う渓流

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ミヤマシキミ群生

何度かの短い登り下りを繰り返し、渡渉もしながら、七ツ池に着きました。
池と名前がついていますが、池はありません。

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七ツ池

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七ツ池付近の光景

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ここで小休憩、ブナの木が多い

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苔とミヤマシキミ

七ツ池から開拓跡へ向かいます。
苔生す光景が飛び込んできます。
地面も石も樹木も苔で覆われています。

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沢を跨ぐ倒木

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石も樹木にも苔が生える

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岩に張りつく根

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まだ新しい倒木

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しっかりと大地に根を張る

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足元はジクジク

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倒木を切り抜いて道が通る

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沢を見てすすむ

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沢が幾筋もある

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この沢水が、やがて大きな流れに

カツラ谷を横切る長い渡渉。
水量が多く、靴が濡れるのを覚悟して、張られているロープを使い慎重に渡ります。
浮き石もあり、滑ってバランスを崩さないかと、不安が過ぎります。
靴は濡らしましたが、なんとか渡り切りました。
ロープが張られた渡渉箇所は、まだ、あります。

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難所の渡渉箇所、写真では見えにくいですが、二本のロープが張られている

渡渉してすすむと、開拓跡です。
一帯は、明治時代、開拓が試みられたものの、厳しい自然条件のために頓挫してしまいました。
すでに、150年が経過しています。

コース上に1ヶ所、ここに簡易式のトイレが設置されています。
使用した人は、すべて自分で持ち帰り。
チップ料金制です。

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簡易トイレが置かれている

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開拓跡付近の景色

開拓跡で、またまた、大きな渡渉。
コウヤ谷の渡渉で、ここにもロープが張られています。
スリルはあっても、好きではありません。
慎重にクリア。

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渡渉後、開拓跡を見る

渡渉して沢を見て歩きます。
大量に雨が降った後なのに、水はきれいです。

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道は平坦

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きれいな水が流れる

そして、三度目の大きな渡渉。
ここにも、ロープ。

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ロープの助けも借りながら、一人ずつ渡る

西大台の難所は、この渡渉です。
特に、今日のように大量の雨が降った後は、要注意。
無事、渡渉してすすむとバイケイソウの群生地にやってきます。
湿地帯が池のようになっていました。

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池のようになった湿地帯

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バイケイソウ群生地

バイケイソウの群生地からしばらくすすむと、開拓分岐です。
途中に面白い倒木がありました。
犬のようにも、獅子のようにも見えます。

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何の動物に見えますか?、見る人によって違うでしょうね

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大きなは虫類が横たわっているみたい

開拓分岐にやってきました。
ここを右に、登っていくと展望所があり、その先は逆峠。
展望所まで約20分。
時折、薄日も見られるようになりました。

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開拓分岐、ここを登り展望所へ

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歩きやすい道を、展望所へすすむ

木の根元に、ツルリンドウの実が、雨に濡れて光って見えていました。

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ツルリンドウの赤い実

別のところには、白いキノコも。

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名前の分からないキノコ


光が差してきました。
左手には、大蛇嵓のある東大台も見えています。

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太陽の光が差し込む

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樹間に大蛇嵓が見える

右に西大台のシンボルの一つとなっているミズナラの巨木を見ます。
その形からカボチャの木として有名。
ユニークな形をした木です。

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カボチャの木

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この形から名前が付けられたんでしょうね

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ここを登れば展望所

展望所に着いたときに運良く、大蛇嵓を眺めることができました。
天候の回復が望めなかっただけに、絶妙のタイミングでした。

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展望所から大蛇嵓を眺める

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東大台展望

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くっきりとは言えませんが、ここまで見られたのはラッキー

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展望所付近の景色

大蛇嵓の展望を目に焼き付けて、同じ道を開拓分岐まで戻ります。
差し込む光を浴びて、黄葉がより鮮やかに見えます。

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きれいな黄葉

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光に照らされる樹木

木の割れ目から身体を出してるお猿さんに似た木がありました。

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お猿さんが立って、見送ってくれているよう

開拓分岐に戻り、右(東)にすすみます。

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開拓分岐付近のミズナラの木、ツタが這う

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これも、動物が仰向けになって、縦列に並んでいるように見える

平坦な道をすすむと、赤い吊り橋です。
一度に渡れる人数は3人まで。
ゆらゆらと揺れます。

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赤い橋

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揺れに合わせて渡る

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渡りながら足元を見る

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渡り終えて振り返る

赤い吊り橋は、2つあります。

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2つ目の吊り橋を渡る

道は登り基調となります。
ガスがとれ、見通しがよくなってきました。

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散乱する倒木のかけら

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黄葉の先に稜線が見える

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ガレた登り

左に大きな岩が見えてきました。
真ん中に大きな裂け目があります。
大岩の下には、たたら力水。
水が湧き出ていて、飲むことができます。

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裂け目のある巨石

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たたら力水

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巨石とたたら力水を振り返る

青空が見え、もう、雨の心配はありません。
振り返ると、逆光に黄葉が映え、美しく輝いています。

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黄葉が一段と映える

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西日に照らされる

中ノ谷渓流に架かる木橋を渡ります。
水が勢いよく流れ出ています。

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中ノ谷渓流を渡る

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渡ったところで振り返る

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苔の上を落ち葉が彩る

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轟音のように水音だけが響く

1ヶ所石畳の渡り、水が流れています。
そのときだけでしたが、汚れた靴がきれいになりました。

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渓流で洗れる石の道

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どこを見ても自然の美しさ

ナゴヤ谷に架かる二つ目の木橋を渡ると、急な登りです。
西大台の出入口まで距離は、20分ほど。

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2つ目の木橋を渡る

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ナゴヤ谷の渓流

苔からミヤコザサの景色に変われば、出入口はもうすぐです。

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苔の景色

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ミヤコザサの景色に変わる

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最初の分岐に戻って、右に曲がれば出入口

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西日が照らす

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もうすぐ日没

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出入口に戻りました

駐車場に戻ると、17時を少しまわっていました。
太陽が沈むと、途端に暗くなり始め、気温が一気に下がりました。
夕日が見えていたのに、一面ガスで覆われてしまいました。

歩き終えた後、アンケート用紙に記入して、ビジターセンターに提出。
アンケートに答えると、大台ヶ原のピンバッジか、クリアファイルのどちらかがもらえます。
クリアファイルをいただきました。

西大台は、自然美が色濃く残る印象深いところでした。
展望という点では、東大台にかないませんが、奥深い森の魅力があります。
いただいた冊子もゆっくり読ませてもらいます。

今朝4時半に起き、5時45分には家を出て、帰ってきたときには、午後9時を過ぎていました。
(帰りは橿原神宮前駅で途中下車)。
今夜はよく眠れます。


2017.10.25 / Top↑
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